産地レポート
2024.9.30
9月中旬、まだ残暑の厳しい日差しの中、岡山県新見市のぶどう農園を訪れました。
一面に広がるぶどうの棚の下には、たくさんのぶどうが顔を覗かせています。
「ちょうど今がピオーネの収穫の時期で、順番に色付くのを待っている状態です」
と、阿新ぶどう部会で部会長を務める中山さんが教えてくれました。
今年のぶどうについて聞いてみると「生育は順調に進みました。台風の影響も少なくて本当にホッとしています。台風が来ると聞いた時は気が気ではありませんでしたよ」とのこと。
実際に収穫したピオーネを少しいただくと、みずみずしく、とても甘い上に適度な酸味がある濃厚な味わいでした。まさしく岡山のぶどうらしい、おいしい仕上がりです。
農園のぶどうは、一見するとどこから取っても良さそうに思えますが、実は丁寧に確認しながら収穫を進めているのだそう。
「収穫では一つ一つ袋を開けて色を確認します。木の先の方から酸が抜けていくので、端から収穫を進めます。実は同じ木でも色付きや味わいは違いますよ」
少しでも収穫のタイミングがズレると品質も変わってしまいます。
ぶどうの収穫には職人としての見極めが必要ですね。
さらに収穫には時間帯も大切だそうです。
「収穫は朝に行います。昼間の暑い時だと木も影響を受けてしまい、収穫した時のぶどうの品質が変わってしまいます」
作業は早朝から行われる上、ぶどうの作業は中腰になるため体力も必要だとか。
おいしいぶどうの裏には、農家さんの努力と工夫がありますね。
こちらの農園ではシャインマスカットも育てられています。
黒色へ変わるピオーネの色付きは見ると分かりますが、元々黄緑色のシャインマスカットはどのように判断するのでしょうか?
「シャインマスカットでは、見た目の色はあまり変わりませんが、熟成すると香りが強くなりますよ」と中山さん。
確かに実際に十分に成熟したマスカットからは、独特の良い香りが漂っています。こうした香りも参考にしながら収穫が進められます。
自然相手のぶどうの生育。天候に左右されることも多いですが、今年も良い出来栄えです。
ぜひ旬の岡山のぶどうを味わってみてください!