岡山の桃は育て方にあり!
桃農家 佐伯亮太朗さんと吉富政宏さん

産地レポート

2023.8.8

岡山でさまざまな果物が収穫を迎えている7月下旬。
総社市の農園を訪れ、桃を育てる吉富政宏さん(写真左)と佐伯亮太朗さん(写真右)にお話を伺いました。

岡山で桃を育てる農家の佐伯亮太朗さんと吉富政宏さん

まずは今年の全体的な出来栄えについて。

吉富さん:出荷時期の早い品種は、梅雨入りが早いこともあって心配しましたが、梅雨明け以降はとても順調です。糖度がしっかりと上がり、玉はりも良く、大玉な傾向です。

佐伯さん:春先は豊作と予測していましたが、思いがけず雨が多く降りました。生育への影響から、今年は厳しいかなと思う時もありましたが、結果をみれば、私たちも驚くくらいおいしく仕上がっていますよ。

袋を開けると白い桃が姿を現す

農園の様子を見せてもらうと、袋の中から白くて美しい桃が顔をのぞかせていました。
収穫直前ということもあり、大きくて食べ応えもありそうです。
岡山でおいしい桃を育てる秘訣について教えてもらいました。

吉富さん:日照時間の長さは岡山ならではのポイントですね。太陽に当たることでおいしくなるので、葉が日光を浴びられるように木の形を大切にしています。木の内側に光が入るように、枝の伸ばし方や葉の数も考え、木の全体、どの場所の桃でも同じ味わいになるように努力しています。

重ならないようにうまく枝が伸びている桃の木

木の枝は、一見無作為に伸びているようで、よく見るとお互いに重ならないように広がっていますね。
さらに全ての桃にオレンジ色の袋が掛けられています。

吉富さん:太陽に当たると赤い色になるため、岡山では全ての桃に袋を掛けています。桃に掛ける袋も品種ごとに違います。例えば清水白桃では少し袋の下が空いたものを使っていますが、特に色の変わりやすい桃や裂皮しやすい桃では完全に覆う袋を使用するなど、品種によって育て方も変えていますよ。

袋の下が空いている桃

桃の農園には夏の強い日差しが照り付けていましたが、袋がしっかりと桃をガード。日光だけでなく、雨や風、虫からも守ってくれます。
手間はかかりますが、一つ一つ掛けることに意味がありますね。

佐伯さん:収穫の際には袋を破いて確認します。また地域や方針によって収穫のタイミングは違いますが、私たちの地域では完熟したものだけを取っています。ギリギリまで木に実らせておいて糖度を上げるのです。もちろん出荷も考える必要もありますので、その辺りは見極めが大事ですね。

成長した桃に対して、枝を支える支柱

収穫の直前まで木に実らせるため、桃が大きくなって枝が折れてしまわないように、枝を支える支柱も設置されていました。
私たちはお店に並ぶ桃を見ることがほとんどですが、農園にはいろいろな工夫があり、面白い発見がありますね。

次回は、生育のコツやおいしい桃の選び方など、興味深い情報をご紹介します!