産地レポート
2022.6.9
5月下旬の「岡山県農林水産総合センター」で、ぶどうに続き、白桃の生育情報もご紹介します。
清水白桃の様子です。
収穫期のものと比べると、色こそ緑色をしていますが、すでに実はそれなりに大きくなっていますね。
しかし、違いは見た目だけではありません。
一つ、成長途中の清水白桃の中身を見せてもらいました。
これを見て、何かに気付きますか?
清水白桃の旬は7月〜8月ごろで、もう1カ月と少しで次第に収穫が始まりますが、現時点でまだ種が見えませんね。
清水白桃はこれからがとても重要です。
硬核期(こうかくき)と呼ばれる時期になると、クルミのような固い種が形成されて、実がどんどん大きく成長します。
ここでうまくいかないと、中の種が割れてしまう「核割れ」や、自然と実を落としてしまう「生理落果」が増えてしまうなど、生育の山場とも言える時期です。
清水白桃は特に繊細な品種で、絶妙な管理が求められます。
そして写真には、オレンジ色の袋が写っていますが、「白皇」という白桃の品種。旬は清水白桃よりも少し後の、8月中下旬ごろです。
袋掛けは、強い日差しや雨風など、外部の環境から実を守るために行っています。
実はこの袋にも工夫が凝らされています。
白桃といってもたくさんの品種があり、性質が異なるため、保湿性や通気性など、袋もそれぞれに適したものを使用しています。
例えば白皇では、ろうが塗布されてツルツルとしたパラフィン紙が、袋の内部に使用され、保湿性を高めています。
小さな手間を惜しまず工夫を重ねることが、より良い品質を実現しています。