5月中旬の桃とぶどうの様子

産地レポート

2021.6.4

5月中旬、岡山の農園を訪れました。桃やぶどうといえば、夏から秋にかけて旬を迎えますが、5月頃はどのような状態なのでしょうか。完全に熟した果物はよく目にすると思いますが、生育中の様子はあまり見る機会がないと思いますのでご紹介します。

ぶどうは花穂(かすい)と呼ばれる小さな粒ができ、ここに花が咲きます。
この時期に行われるのは、摘穂(てきすい)と呼ばれる作業です。

ぶどうの花穂

ぶどうの花穂

ぶどうの小枝の先をよく見ると、小さな粒がたくさん付いています。これが成長してぶどうの房を形成しますが、見ても分かるようにとても数が多いですね。
せっかくなら全部育てたいと思うところですが、もしも付けたままにしておくと、その分一つ一つの栄養が減ってしまい、また成長するスペースもなくなってしまうため、味も形も良くないぶどうになってしまうのです。
そのため、一つの枝に対して、写真中の指で示している程度の花穂だけを残して、それ以外はすべて取ってしまいます。摘穂はすべての枝に行う必要があり、数も多く細かくて大変ですが、品質の良いぶどうを作るために欠かせない作業です。農家の方は大変目が疲れるそうです。

先のかたまり2つ3つを残します

先のかたまり2つ3つを残します

一方、桃の生育では、清水白桃とおかやま夢白桃という品種で、小さな実ができているところでした。現在梅雨を迎えていますが、実は雨が多いことはあまり良いことではありません。

大きくなりはじめた桃

大きくなりはじめた桃

雨が降ると、木が生き生きとして見えますが、果実が大きくなり過ぎてしまい、中の種が割れたり、実を落としたりすることもあります。そのため桃の状態と天気を見ながら、シートを敷いて水が入らないように対策することもあります。水分が多過ぎず、かといって乾燥させ過ぎない、絶妙なバランスが重要です。
清水白桃やおかやま夢白桃はこれから大きくなり、7月から8月頃に出荷となります。

遠目に見ると桃はまだ目立ちません

遠目に見ると桃はまだ目立ちません

ぶどうは露地栽培という屋外で育てる方法と、加温栽培と呼ばれるビニールハウスで育てる方法があります。露地栽培のぶどうはこれから始まるところで、出荷は少し先になりますが、加温栽培のぶどうは6月中旬に出荷を迎えます。お中元に岡山のぶどうはいかがでしょうか。

加温栽培で成育中のシャインマスカット

加温栽培で成育中のシャインマスカット