産地レポート
2024.10.30
ぶどうの生育では、形を整えることや収穫といった目に見える作業だけでなく、年間を通じてさまざまな作業があります。
その中でも特に重要なのが、土づくりと枝づくりです。
土はぶどうの木の健康な成長を支える基盤となります。
しっかりとした土壌を作るために、農家の方は山に入って、落ち葉や枯れた茅(かや)を集めることもあるそうです。
茅は、農園全体に敷くことも。
雑草の発生を抑え、土壌の水分を保持する効果があります。
このように重要な作業である一方、枯れ葉や茅を集めることから始め、熊手などを使って広い農園全体にまいて広げるなど、体力が必要でとても大変な作業だそうです。
枝づくりもまた、ぶどうを育てるために重要な作業です。
なんと前年に実をつけた枝は、大胆にバッサリと切ってしまいます。
というのも、ぶどうは毎年同じ枝に実をつけるのではなく、新しい枝に実をつけるためです。
枝の根元には小さな芽があり、そこから新しい枝が伸びて次の実がなるそうです。
さらに、枝を伸ばす際に位置を整える「誘引」という作業も重要です。
自然のままに枝が伸びてしまうと、無造作な形になり、日当たりが悪くなったり、通気性が悪くなったりします。
実際に農家の方が育てているぶどうの木を見てみると、枝の位置が整っていて、満遍なく日が当たり、風通しも良いことが分かりますね。
一見簡単そうな作業ですが、枝はとても折れやすいため、細心の注意と高度な技術が求められます。
岡山のぶどうの歴史は130年以上もあり、長い年月をかけて技術が培われ、磨かれてきました。
岡山には何よりも「おいしいぶどうを作りたい」という、農家の方の情熱があります。
こうした熱意から細部にこだわる地道な作業の積み重ねがあってこそ、おいしいぶどうになるんですね。