産地レポート
2024.10.2
皆さん、お店に並ぶ美しいぶどうを見て、どんな過程を経てきたのか考えたことはありますか?
実は、農園から店頭に並ぶまでの間に、重要な役割を果たす場所があるんです。
前回に続き、岡山県新見市の豊永ぶどう集出荷場で、ぶどうの品質管理についてお話を伺いました。
見せてもらったのはぶどうの箱を通す大きな機械です。
これはぶどうの色付きをチェックする最新鋭の装置だそうです。
「この機械では色付きを数値化しています。箱に入ったぶどうをカメラで撮影し、全体の色付きを数値として評価します。主に扱っているピオーネでは、赤色がどれほどの割合かを確かめ、その評価に基づいて人の目で問題がないか確かめます」と教えてくれました。
機械と人間の目で、しっかりと品質が管理されていますね。
ぶどうで大切なのは色だけでないそうです。
「ぶどうの大きさにも目安があります。目安として650~700gを目指して育てます」
一箱5kgの場合、だいたい8〜9房が入るのが理想とのこと。
農家の方は、なんと手の感覚だけで重さが分かるそうです。
選果場では、最新技術の導入も進められています。
「少し前に全国で初めて近赤外光の機械を導入しました。この光に当てることで、ぶどうに影響を与えることなく、病気を防ぎ、鮮度を保てます」
近年は台湾など海外にも輸出しているそうで、こうした技術のおかげで、より新鮮なぶどうを届けられますね。
しかし機械や数値だけでは判断しきれないのが「味」です。
そこで、実際にいくつか食べて確かめる「食味検査」も行うそうです。
やはり最後は人間の感覚が大切ですね。
最後に品質管理における思いについて教えていただきました。
「もし品質のチェックを受けずにぶどうが流通すれば、品質にばらつきが生じ、手に取ってくれた方の信頼を損ねることになります。私たちの役目はこうした品質を正しく管理し、皆さんの信頼を守ることです」
私たちが安心しておいしいぶどうを楽しめるのも、しっかりとした品質の管理があるからですね。