産地レポート
2023.8.10
7月下旬、岡山県総社市(そうじゃし)を訪れ、現地のぶどうの様子を取材しました。
農園を案内してくれたのは、総社市の秦(はだ)でぶどうを育てる古川省吾さん。
総社市の広々とした田園が広がる場所に、ビニールハウスのぶどう農園があります。
ここで古川さんに現在のぶどうについて教えてもらいました。
「現在収穫しているのは温室栽培のぶどうです。加温栽培ならではの良さは、室温で生育を調整し早くから出荷できることですね。露地栽培と比べて雨の影響も少なく、病気の心配も少ないです。私は、ぶどうの加温栽培は今年が初めてでしたが、色付きも良く、甘くおいしい出来栄えになっています!」
古川さんの農園では、シャインマスカットとピオーネが育てられていました。
岡山では適地適作が大切にされており、地域によって育て方や品種が少しずつ異なっているそう。
加温栽培から始まって露地栽培へと続き、そしてマスカット・オブ・アレキサンドリア、オーロラブラック、瀬戸ジャイアンツ、紫苑(しえん)などなど、岡山では多種多様なぶどうが育てられています。
時期や品種がばらけていることで、さまざまな味わいを長く楽しめますね。
岡山県における、ぶどう作りの特徴について尋ねてみました。
「岡山県は日照時間が長く、水の資源も豊富です。私はぶどうの生育を始めて4年目になりますが、何よりも岡山県で昔から培われてきた技術には驚きましたね。例えば枝の管理一つとっても、本当にさまざまな工夫や高度な技術があります。いわゆる応用のようなことが岡山県では基本になっているのだと思います」
中でも重要なのは作業を行うタイミングだといいます。
「栄養をしっかりと届けるにも、病気を未然に防ぐにも、ぶどうの生育状態に合った適切な時期に、適切な作業を行う必要があります。定期的に農園を見回り、ぶどうの様子をよく観察することを心掛けています」
古川さんは現在50aもの広さでぶどうを育てているそうです。50aといえば、シングルスのテニスコートだと約25面ほど!一つ一つに袋を掛けたり、余分な実を落としたりと、作業量も多く大変だそうですが、細かい気配りが大切とのこと。
一筋縄ではいきませんが、苦労を乗り越えた先においしいぶどうが待っています。
最後に岡山のぶどうの魅力を教えてもらいました!
「岡山のぶどうの自慢は、なんといっても大粒な実ですね。味はもちろんですが、一粒一粒が大きくて立派です。ぜひ大粒感を楽しんでください! そしてこれから多種多様なぶどうが登場しますので、いろいろな品種を食べ比べてみてください!」