岡山の果実 豆知識
2022.10.14
9月下旬、岡山県高梁市(たかはしし)で開催された「岡山県うまいくだもの共進会」。
前回に引き続き、今回は審査の様子を詳しくご紹介します!
岡山自慢のぶどう大集合!品質を競う「共進会」 その1
https://okayama-craft-fruit.com/news/2022/10/13/571/
まずは会場の様子から。
テーブルの端から端まで、農家の方々が手塩にかけて育てた自慢のぶどうが並びます。
どのぶどうも大粒で、色付きも良く、実に良い仕上がりです。
審査は大きく3つの項目に分かれており、見た目、糖度の高さ、食味の観点から最終的な評価が決まります。
最初に行うのは、外観の審査です。
色付き、粒の大きさ、形の良さなど、見た目を評価します。
岡山のぶどうの良さは、なんといっても見た目の美しさですね。生育過程では、全ての房の一粒一粒に手を加えて形を整えています。
色付きは、専用のカラーチャートと見比べながら、厳密に判定します。
続いては糖度の測定。
以前は果汁の光の屈折度を調べ、目盛りを読む方法をとっていたそうですが、今では完全にデジタル化。
果汁を少し垂らすだけで正確に測れます。
最後は食味で、食べた時の味わいや肉質、香りなどを実際に食べて審査します。
そのほかにも細かい評価基準があり、高評価を得るためには、隅々にまで気を配らなければなりません。
JA晴れの国岡山の方に、この大会についてお話を伺いました。
まずは今年のぶどうの全体的な出来栄えについて。
「今年は夏の降水量が少なく、やや小粒の傾向がありましたが、生産農家の皆さんがしっかりと水分の管理を行ったため、糖度が高く、酸味のバランスも取れた、食味の良いぶどうに仕上がっています」
ぶどうの品質は朝の収穫時点で決まるそうで、農家の方も出品するぶどうは直前まで悩むそうです。
続いて大会を開催する意義について教えてもらいました。
「共進会は生産意欲と技術の向上を目的に始まりました。実際に開始後から、岡山県のぶどうの品質はどんどん高まっていますね。さらに最近は、若い方が就農されることも多く、新しく栽培を始めた方々にとっても、優れた技術を学び、より良いぶどうを作る一つの目標になっています」
こだわりの強い岡山県の農家の皆さんにとって、大きなモチベーションになっているようです。
最後に、ぶどう作りへの思いを語っていただきました。
「ピオーネは、岡山県が全国一の生産量で、市場からも高い評価をいただいています。近年は品質にこだわりを持つ消費者の方が増えていますので、より満足していただけるよう見た目から味まで、ぶどう一つ一つ、一粒一粒に向き合い、こだわりを持って育てています。これからも先人から受け継いだ技術や精神を誇りに、岡山だからこそできる美味しいぶどうを作っていきます」
岡山県のぶどうの歴史は130年以上前のマスカットから始まり、今日に至るまで栽培技術を磨いてきました。
今後も県内各地で、情熱にあふれた農家の皆さんが、さらに美味しいぶどう作りを行っていきます。