岡山の農業を支える三徳園

産地レポート

2021.11.11

岡山では農業が“熱い”です。
桃やぶどうなど、岡山を代表する果物をはじめとして新規就農者が増えており、ますます盛り上がりを見せています。
岡山で就農支援の一翼を担っているのが、岡山県立青少年農林文化センター「三徳園」です。
今回は、三徳園で農業人材の育成に携わっている仁科寿さんに、どのような施設なのか詳しく教えていただきました。

三徳園で農業人材の育成に携わっている仁科寿さん

「三徳園は岡山における農業の担い手育成の拠点となる施設です。現在の第一生命保険株式会社の創設者であり、岡山市東区竹原出身の矢野恒太氏によって、昭和9年に設立されました。以来、青年農業者を育成し、多くの若い担い手が就農してきました。その後は、県立農業大学校の新設に伴い、農業公園として親しまれてきましたが、近年、担い手育成の重要性が高まり、平成30年から再び農業の担い手を育成する施設としてリニューアルオープンしました」

岡山出身の矢野恒太氏

三徳園ならではの強みや取り組みについて尋ねると、次のように答えてくれました。

「園内の広い農地や充実した設備も自慢ですが、なんといっても準備段階から就農後のスキルアップまで、目的に合わせた細やかな研修を行っていることですね。加えて、各農業のプロフェッショナルがそろっており、単なる座学に終わらない、実践的な知識や技術を身に付けることができます。県内の関係機関と連携して、各地で相談会も実施しているので、農業にちょっと関心のある方も、すでに就農を考えている方も、ぜひ当施設をご利用ください」

農業に少し興味があるという方は「1DAY農業体験」や「ホリデイ就農ゼミ」、本格的に就農を考えている方は最長2年の「長期就農研修」や、「社会人就農研修」というように、段階や目的に合わせて幅広く対応しているそうです。

最後に、岡山の農業にかける思いを仁科さんに語っていただきました。

仁科寿さん

「岡山の農産物は、生産者の方が丹精を込めて作っています。桃やぶどうはもとより、冬の果物として『晴苺』(はれいちご)、野菜では『千両なす』や『桃太郎トマト』など、岡山らしい高品質で特長ある品目がたくさんあります。お米では『きぬむすめ』『朝日』などに加え、幻の酒米と呼ばれる『雄町米』(おまちまい)や、それを使った日本酒も評判です。これからも皆さんに美味しい果物や野菜、お米をお届けできるように、産地の皆様と一緒に担い手育成に取り組んでまいりますので、岡山の農業にぜひともご注目ください」