ぶどう新規就農者 松田一志さん

産地レポート

2021.10.25

岡山では、瀬戸内の温暖な気候を生かし、幅広い分野で農業が盛んで、新たに就農される方も増えています。
来年にもぶどうで就農予定の松田一志さんは、そんな新規就農者候補の一人です。
松田さんに、農業を志したきっかけや取り組んだこと、農業への思いについて、お話を伺いました。

松田一志さん

「農業は、祖父母が行っていたので、子どもの頃から身近でした。ただ、最初から就農を考えていたわけではなく、工業高校に進み、ものづくりの道を目指していました。やがて卒業も近づき、進路について悩んでいたところ、祖父が病気になり、農業を続けられなくなってしまう出来事がありました。そのことがきっかけで農業の道を考え、農業大学校で学ぶことを決めました」

もともとは、ものづくりに興味があったと話す松田さん。
農業について学び、自分で育てることで、その魅力に引き込まれていったそうです。

「農業大学校を卒業した後は、地元岡山でぶどう農家になることを決め、岡山県立青少年農林文化センター『三徳園』で職員として働きながら、ぶどう栽培の経験を積んでいます。農業大学校では、農業に関する知識こそ学んでいましたが、実際は教科書通りにはいきません。知識は正しく使えて初めて意味があると、まさに実感しています。それでも作業が大変だと思ったことはなく、むしろとても楽しいですね。毎日新しい発見があり、刺激的な日々です」

岡山県立青少年農林文化センター『三徳園』

三徳園は岡山の農業を支援する施設で、さまざまな農業設備があり、また幅広い研修も行っています。松田さんはここで、研修者の指導にも携わっています。

「役割としては指導を補助する立場ですが、どちらかというと、一緒に学びを深めているという感覚です。研修生の方から思い掛けず鋭い質問を受けることもあり、あらためて農業の奥深さや、面白さを感じています。また高い品質の追及には、岡山県ならではの職人気質を感じますね」

ぶどう農園

最後に、これからの目標について教えてもらいました。

「今年から就農に向けた準備を進めています。高校のときに感じていたものづくりへの思いは、現在でも変わることはなく、味はもちろん、一つ一つの房づくりにもこだわり、買っていただいた人が、まずは見て驚く、そして食べて驚く。そんな見た目と味わいを兼ね備えたぶどうを作りたいですね」

130年以上前に始まった、岡山のぶどうの歴史。
長い年月をかけて磨かれた技術とこだわりは、次の世代へ、先人の思いとともに受け継がれています。