岡山の果実 豆知識
2021.6.23
桃と聞くと、どのような姿をイメージしますか。
淡い赤色という印象がありませんか。
岡山では、桃の中でも特に清水白桃やおかやま夢白桃などの「白桃」が有名ですが、そもそも白桃とはどのようなものを指し、桃と何が違うのでしょう。
白桃とは名前の通り、果肉が白い桃のことです。
そんな白桃のルーツは岡山にあります。
1899年、岡山の大久保重五郎氏によって「白桃」という品種が発見されました。この桃は完熟しても果肉が赤くならず、白い色をしていることからこのように呼ばれました。
何よりも、香りが良くて果汁は多く、甘くて滑らかな食感と、優れた品種であったことから大きな注目を集めました。現在は他の白桃と区別するために「本白桃」と呼ばれることもあります。
この白桃こそが、日本で食べられているたくさんの桃の元祖ともいえる品種で、今日に至るまで白桃の特徴を引き継いださまざまな桃が誕生しています。
今や岡山の白桃を代表する清水白桃も、この白桃から誕生しました。
白桃の良さを引き継ぎ、香りが良く、果汁が豊富で、上品な甘さと柔らかさを持つことから「桃の女王」とも称される品種です。
1932年に、西岡仲一氏が発見した品種で、岡山市北区にある池のほとりには、「清水白桃発祥の地」の記念碑が建っています。
白桃の品種といっても、そのまま育てるだけではきれいな白色にはなりません。実は太陽の光に当たると、白桃も淡い赤色になります。すると、見た目が変わるだけでなく、果肉の繊維まで太くなり、食感も変わってしまいます。
岡山の白桃の特長である美しい白さと、とろけるような果肉には、成長の最後の段階まで太陽の光に当てないことが欠かせません。
しかし、木をすべて隠すわけにもいかないので、手間はかかりますが実を一つ一つ袋で包むようになったのです。
労力を惜しまず、細かい作業を繰り返すことが、岡山の白桃の品質につながっています。白桃を食べるときには、その美しさや果肉の柔らかさにも注目してみてください。
近年では、白皇(はくおう)や白露(はくろ)など、白桃の新しい品種が誕生しています。
一つ一つの旬の時期は短いのですが、さまざまな品種があり、時期も少しずつずれていますので長く楽しめますよ。
主な品種の食べ頃については、以下もご参照ください。
桃とぶどうを楽しめる時期 >